2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに採用された藍色。(21年に延期)
日本の伝統色でありサッカー日本代表のユニフォームにも採用されるなど、世界からも『ジャパンブルー』として広く認知されています。
私も藍色が好きなのでインディゴカラーのアイテムにはよく目がいきますが、毎回即決できない理由が「色落ちしないかな…?」ということ。
Tシャツなど衣類は汗をかいたら色移りも考えられますし、実際に品質表記にも注意書きがされています。
お母さんから「その色やめてー」って言われるやつ。
実際に肌に藍色が移ってしまった経験もあり、「味のある素敵な色なのになぁ」とモヤモヤ。
しかしいろいろと調べてみると、どうやら本藍染なら色落ちしないようなんです!
今回はこの調査結果をまとめてお届けしたいと思います。
色落ちしない藍染の真相
ある日、私は目撃してしまった——。
それは高級そうな『藍染のバスタオル』。
色落ちヤバ過ぎなのでは…。
お風呂上がりはブルーマンだろう。
【藍染め=色落ち】と信じて疑わない私は衝撃を受けました。今まで大好きな色にも関わらずいくつも買わずに我慢してきたというのに…
そこから藍染の真相を探るべくいろいろと調べてみると、なんと<昔ながらの伝統技法を用いた藍染は色落ちしない>という事実がわかりました。
早速その秘密をご紹介しましょう。
色落ちしないのは本藍染だから!
江戸時代から伝わる『天然灰汁発酵建て(本建て)』という技法を用いたものは『本藍染』と呼ばれます。
化学薬品を一切使わず天然素材のみで藍を建てる(藍染め液をつくる)伝統技法です。
これが色落ちしない藍染めの真相…。
近年では大量生産のもと化学薬品等を使用した『化学建て』という技法が広く浸透しており、このような商品が主に色落ちするようです。
さらに本藍染には化学建ての物にはない様々な効能もあります。
- 抗菌作用
- 防虫効果
- 消臭効果
- 保温効果
- UVカット など…
上記に加え、化学薬品を使わないことから赤ちゃんの敏感な肌にも安心して使用できる優れもの。
ただしこの技法を用いた本藍染は大量生産が難しく、手間やコストがかかることから現代では一般的ではありません。
この方法を用いる藍染め工房も全体の1%程度と非常に貴重な存在となっています。
色落ちしたとしてもすぐ落ちる!
「色落ちしないっていったやん!」て感じですが、どうやら100%ではないようなんです。
大嘘つき!
“藍は生き物”と言われるように、その時の藍の体調?具合?なども影響するんだそう。
その時の染め方や洗い方・天候などにより品質は変わってくる、つまり仕上がりが一定ではないということです。
——しかし、本藍染は色落ちしても色移りせず、しかも水で流せば落ちるんです!
すごいでしょ?だから色落ちなんて無かったも同然なんです!プラマイゼロ。(強引)
本藍染めとインディゴ染めの違い
ファッション雑誌で見かけたりネットショップで手軽に購入できる衣類には『インディゴ染め』といった表記がされています。
これらは一般的に合成インディゴを使用した物で、化学薬品が用いられているため色落ちが考えられる染色方法です。
つまり天然染料か合成染料かという違い。
合成インディゴはムラなく安定した品質で、おまけに低コストで大量生産ができるのが特徴。とはいえ藍染の偽物というわけではありません。
どちらにもそれぞれの良さがあり、本藍染は天然ならではの深みのある色合いで、熟練の職人さんが手作業で手間暇をかけて染め上げる希少なものです。
一方、合成インディゴはムラがなく鮮やかな藍色で、色落ちも逆手に取れば良い味として愛されるでしょう。
それぞれの良さを理解して使い分けたいですね。
余談ですが、例えばジーンズの多くは合成インディゴのもので履き込んで色落ちを楽しみます。ですが近年では本藍染のジーンズもよく見かけますよね。
もしかして本藍染なのに色落ちするのだろうかと疑問に思ったわけです。
通な人ならば色落ちを楽しみたいんじゃないの?
こちらも調査してみると色落ちは楽しめないという意見も、楽しめるという意見も両方ありました。
どっちだよって感じですが、おそらく通常はインディゴのような色落ちはしないのだと思います。あとはデニムの染色加減で色落ちさせるように調整できるっぽいです。
※あくまで個人調べです。
おすすめの本藍染製品
調べてみると手間隙かかるだけあってお値段は可愛くないのが実際のところ。メーカーにもよりますがTシャツでも1万円前後、ワンピースやコート等は安くて2~3万とか。
やはりあの独特の色合いはインディゴでは味わえませんし、質は最高ですからね。
私が注目した本藍染のアイテムをちょこっと紹介したいと思います。
本藍染バスタオル
だだの勉強不足で色落ちを怪しんだタオル。肌に優しいオーガニックコットンを本藍染にしたバスタオル。職人さんが一つひとつ丁寧に染め上げています。
本藍染のレザーウォレット
こちらのブランドは最高級のイタリアンレザーを本藍染にしています。個人的に革製品が好きなのもあって、これは激渋でカッコ良すぎて衝撃でした。
阿波本藍染
日本の藍染と言えば思い浮かぶのは徳島産の『阿波藍』。
藍染めの元となる藍染料「蒅(すくも)」づくりの本場として、現在もその伝統が引き継がれ、徳島でつくられた蒅(すくも)を阿波藍と呼びます。
https://www.awanavi.jp/
この阿波藍を使用した藍染めにも『本建て』と『化学建て』があります。その中で天然素材だけを使用した阿波藍の藍染には証明書の発行がされているようです。
まとめ
色落ちしない藍染から始まり、本藍染を調べれば調べるほどその奥深さに魅力を感じ非常に勉強になりました。
専門的な文言も多く正直難しかったです。(間違っていたらご教授ください)
ということで、
- 色落ちが心配な方は「本藍染」がおすすめ!
- 色落ちを楽しみたい方は合成インディゴがおすすめ!
気軽に楽しめるのはインディゴで、本藍染はお高いので記念品や贈り物とか特別なものとして重宝しそうですね。